不動産を複数人で所有する「共有名義」という購入方法は、費用負担を分け合える点から近年注目を集めています。
住宅ローンの利用や税制上の優遇措置を活用できる一方で、将来的な売却や相続時に課題が生じることもあります。
そのため、共有名義のしくみを正しく理解しておかないと、意思の不一致などによるトラブルにつながる恐れがあるでしょう。
この記事では、共有名義による不動産購入の基本情報や、知っておくべきメリット・デメリットを解説いたします。
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不動産購入時にみかける「共有名義」とは?
マイホームの購入を検討する際、費用負担の分散や住宅ローン控除の適用などを目的に、「共有名義」での購入を選ぶ方が増えています。
とくに、夫婦や親子など、家族単位で不動産を取得するケースにおいては、資金提供の割合に応じて持分を登記することが一般的です。
以下では、共有名義の概要と、共同で不動産を購入する際の具体的な手続きについて、ご紹介いたします。
共有名義の定義
共有名義とは、一つの不動産について複数の人が出資割合に応じた持分を登記し、それぞれが同等の権利義務を負いながら共同で所有権を持つ形態で、日本の民法上は「共有」と位置づけられ、区分所有とは異なります。
たとえば、夫が700万円、妻が300万円を負担して1,000万円の不動産を購入する場合、夫の持分を10分の7、妻の持分を10分の3として登記するのが一般的な例です。
夫婦それぞれが住宅ローン契約者となり、自身の持分と返済負担額を一致させることで、住宅ローン控除や後述する譲渡所得の特別控除といった税制優遇をそれぞれが受けられます。
資金計画と節税の双方に効果があり、生活費を分担しつつ資産を築けるメリットも大きいです。
ただし、売却や増改築といった重要な決定には共有者全員の同意が必要で、意見が割れると手続きが進まず、資産の流動性が失われやすい点に注意が必要です。
そのため、購入前に共有者間でルールを定めておくと安心でしょう。
登記
共有名義で不動産を購入した場合は、法務局で所有権保存登記(新築の場合)または所有権移転登記(中古の場合)をおこない、登記簿(登記事項証明書)に各共有者の氏名と持分割合を正確に明示する必要があります。
しかし、オンライン申請でも書式を誤ると補正が必要になるため注意してください。
オンライン申請では法務省提供の申請用総合ソフトを使用し、事前にマイナンバーカードなどの電子証明書を取得する必要があります。
また、売買契約書や住民票などの書類を揃えたうえで実際の資金負担割合に合った持分で申請しなければ、差額が贈与とみなされ、贈与税が課されるおそれがあります。
さらに、不動産取得税の負担が別途生じる可能性もあります。
申告漏れが後日判明した場合には、本来の税金に加えて延滞税などが課されることもあるため注意が必要です。
なお、購入後速やかに登記を済ませることで、第三者に対して所有権を法的に主張できるため、トラブル防止と資産保護の両面で重要です。
共有名義の注意点
共有名義の不動産では、法律行為の種類によって必要な同意の要件が異なります。
とくに売却など重要な行為には共有者全員の同意が求められるため、協議が難航すると身動きがとりにくくなります。
離婚や相続によって共有者が増えるほど、意思統一はさらに困難になるため、あらかじめ書面で方針や連絡方法を定めておくと安心です。
このような取り決めがない場合、最終的に裁判所の調停や持分分割請求、最悪の場合は競売に発展し、費用と時間の負担が増す例もあるため注意が必要です。
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共有名義で不動産を購入するメリット
マイホーム購入を検討する際、共有名義にすることで得られる、税制上の優遇措置や節税効果に注目が集まっています。
とくに、共働き世帯では、住宅ローン控除や相続税対策など、共有名義ならではのメリットが多く存在するでしょう。
住宅ローン控除をそれぞれが受けられる
共有名義でローンを組むと、名義人それぞれが年末残高を基準に住宅ローン控除を受けられ、実質的な所得税・住民税の負担を軽減できます。
さらに、収入を合算して借り入れ上限を引き上げられるため、単独では届かない価格帯の物件取得が可能になり、希望の立地や広さを実現しやすくなります。
控除適用には、自身の持分があり、返済期間が10年以上であることなど複数の条件があるため、契約前に金融機関や税務署に要件をよく確認することが重要です
売却時の節税効果
居住用の不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、共有者それぞれが最高3,000万円の特別控除を適用できます。
たとえば、夫婦の共有名義であれば、要件を満たすことで最大6,000万円までの譲渡所得が非課税となり、大きな売却益が出ても税負担を大幅に抑えることが可能です。
ただし、この特例は自身が住んでいる家屋であることが前提で、所有期間などの追加要件も確認が必要です。
また、固定資産税の納税通知書は代表者一人に一括で届きますが、内部で持分に応じて負担を按分すれば、年間の支出を平準化でき、家計管理の面でも役立ちます。
その他のメリット
持分が分かれていることで、他の共有者が単独で不動産全体を売却することはできず、資産保全とトラブル防止につながります。
また、返済や管理費を持分に応じて分担すれば家計の役割が明確になり、共働き夫婦でも公平かつ計画的な資産形成がおこなえます。
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共有名義で不動産を購入するデメリット
マイホームを共有名義で購入することには多くの利点がある一方で、将来的なトラブルの要因となる側面もあります。
とくに、相続や税制、維持費用に関する問題は事前に理解しておくべき重要なポイントです。
以下では、共有名義で不動産を購入することによる主なデメリットについて詳しく解説いたします。
相続発生時に権利関係が複雑化する
共有者の一人が亡くなると、その持分は法定相続人に承継されます。
相続人が複数いる場合、一つの不動産の共有者がさらに増えることになり、売却やリフォームなどの意思統一がより一層難しくなるでしょう。
また、相続登記を放置すると、さらに次の相続が発生して権利関係がネズミ算式に複雑化し、後の処分や担保設定に大きな支障が出ます。
なお、2024年4月1日から相続登記が義務化されたため、この点にも注意が必要です。
結果として、不動産を活用したくても動かせない「塩漬け」状態に陥り、固定資産税などの維持管理コストだけが発生し続けるリスクがあります。
贈与税が発生するリスク
先述の通り、実際の資金負担額と登記上の持分割合が一致しないと、その差額が「贈与」とみなされ、年間110万円の基礎控除を超える部分に贈与税が課税されるリスクがあります。
高額な不動産では追徴課税額も大きくなるため、契約前に出資計画を固め、資金負担に応じた正確な持分で登記することが極めて重要です。
必要に応じて、事前に税理士などの専門家に相談し、最適なプランを検討しましょう。
費用が割高になる
共有名義では、登記に必要な印鑑証明書などの書類が人数分増えるため、司法書士報酬などの登記費用が単独名義より高くなる傾向があります。
また、ペアローンなどローンを個別に組む場合は、契約ごとに保証料や団体信用生命保険料、収入印紙代が発生し、初期コストの総額が単独ローンよりも高くなる点もデメリットです。
これらの費用負担についても、あらかじめ計画に織り込んでおく必要があります。
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まとめ
不動産を共有名義で購入することで、住宅ローン控除や相続対策など経済的なメリットを得ることが可能です。
ただし、共有者の死亡や持分の譲渡に伴うトラブルリスクもあるため、将来を見据えた対策が求められます。
将来起こりうる事態を見据え、登記方法や費用の分担について事前に十分に確認し、安心して暮らせる環境づくりを心がけましょう。
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